はじめに
自分がバリ島に引っ越してきた当初からずっと撮影し続けてきたテーマ。
それは、星空をバックにしたウェディングやポートレート等の人物撮影です。
多くの方からいただく”どうやって撮ってるの?”とのご質問に答え、簡単ではありますが撮影方法について記事にしてみました。
撮影ご希望のお客様はもちろん、星空人物撮影に興味のあるカメラマンの方の参考になれば幸いです。
星の光を集める長時間露光+人物の動きを止めるストロボ光
星々の光を捕える為に、シャッタースピードの設定はかなり遅くします。
通常、1枚撮るのに15秒~25秒程度。
(これ以上長くすると星は点ではなく線になってしまいます。)
この方法で、夜空の微かな光を集めて撮影しています。
”そんなに長いと星はくっきり写っても、人物はぶれてしまうのでは??”という疑問が湧くと思います。
そこでストロボの登場です。
真っ暗闇の中、人物だけにストロボ光を一瞬だけあてることで、髪の毛の一本まで止めて撮影する事ができます。
これが星空人物撮影の基本撮影方法です。
星空をより美しく。赤道義を使用した新たな撮影方法
2019年。より星空をより美しく表現するため、天体望遠鏡での撮影などに使用する赤道義を星空人物撮影に導入しました。
赤道義とは、ゆっくりと動く星を追尾する機械です。
赤道義の導入により、シャッタースピード最長25秒という縛りをなくすことができました。
シャッターを開けている長い時間のうちに、より多くの細かな星々の光を集めることができます。
そして星雲や星団、天の川の微妙な濃淡まで捕える事が可能となりました。
コンポジット法による ノイズの除去
色彩や輝度を強調するため、編集段階で問題になるのがデジタルノイズ。
星空専門の編集ソフトを併用する事で大幅に改善されました。
人物を撮影した直後に赤道義で追尾スタート、同じ設定のまま数枚撮影します。
その写真を星空専門の編集ソフトにより、位置や回転のズレを計算して重ね合わせます。
この作業により、全ての写真に同じように写っている星はそのまま、ランダムに現れるデジタルノイズは撮影枚数で平均化され、なめらかに軽減されます。
更にレンズ特性よる画像四隅の減光部分の補正(フラット補正)や、カメラ熱ノイズの補正(ダーク減算処理)なども行い仕上げていきます。
最終仕上げ
人物の写っている最初の1枚に星の部分だけを重ね合わせ、通常のウェディングフォト同様、お肌の処理や落ちているゴミや意図しない人工物・航空機・人工衛星の軌跡などを削除、丁寧に1枚1枚仕上げています。